阪神タイガース在籍時には、同期入団の井川慶とともに、野村克也監督から大きな期待を寄せられた。しかし、相次ぐ故障に苦しめられ、プロ4年間で一軍出場は一度もなかった。不完全燃焼のまま、22歳で第二の人生が始まり、飲食業への進出を図ったものの挫折。奥村武博が選んだのは「公認会計士」という新たな道だった。
「そもそも公認会計士という仕事が、具体的にどんな業務をするのか、よくわかっていませんでした。ただ、高校時代に日商簿記2級を取得していたし、“何となく《公認会計士》という字面がカッコいいな”と思いまして(笑)。でも、調べてみると弁護士、医師と並ぶ三大国家資格の一つで、合格は容易ではないと分かったのですが、逆に、それなら絶対に合格してやると思ったのです」