○ウルグアイ30―27フィジー● ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会は25日、東日本大震災で被災した岩手県釜石市に新設された釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムで1次リーグ1試合を行った。D組のフィジー(世界ランキング10位)はウルグアイ(同19位)に27―30で惜敗した。2連敗となったフィジーだが、7点差以内の敗戦と4トライ以上によるボーナス点を獲得し、勝ち点2とした。(世界ランキングは24日時点) <ウルグアイ、格上相手に歴史的な1勝 フィジーのお株奪うパスプレー> 【大熱戦を写真で振り返る】フィジーVSウルグアイ 【写真特集】仮設スタンドまで観客が埋まった釜石鵜住居復興スタジアム <釜石で遭遇した震災>残ってボランティア 元豪代表ファーディー選手が再訪問 <「世界にありがとう」釜石の試合で震災伝えた高校生語る> 試合終了のホイッスルを聞くと、フィジーの選手たちはグラウンドに膝をついて、うなだれた。マッキー監督は「我々は根本的なミスをした。相手は好機を逃さなかった」と振り返った。昨秋の対戦では68―7で大勝したウルグアイに敗れ、まさかの連敗スタートに表情は厳しい。 相手の2、3人がかりのタックルの前に、華麗にパスをつなぐ持ち味を封じられた。倒れながらも無理やりパスを出そうとするが、ミスでボールはつながらない。徐々に個々の選手が身体能力の高さを生かして突破を図り、後半26分にはSHマタワルが相手をフェイントでかわし、トライ。5点差に迫ったが、終了5分前に、相手にペナルティーゴールを決められ、天を仰いだ。 前半リードして折り返すなど善戦した初戦の強豪・オーストラリア戦から中3日と厳しい日程もあり、先発メンバー12人を入れ替えた。マッキー監督は「組み合わせが決まった時から、(W杯登録メンバーの)31人全員でどう戦うかを考えてきた。言い訳はしたくない」と潔かった。 今後もジョージア、ウェールズと実力のあるチームとの対戦が続く。第2回大会以来となる全敗での1次リーグ敗退を避けるためにも、ワンガニンブロトゥ主将は「この試合をきちんと振り返って、再出発するしかない」と懸命に気持ちを切り替えていた。【角田直哉】