ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会は3日午後7時15分から、ノエビアスタジアム神戸で1次リーグの試合があり、日本と同じA組のアイルランド(世界ランキング4位)とロシア(同20位)が対戦する。ともに3戦目で、ここまでアイルランドは1勝1敗の勝ち点6、ロシアは2敗で勝ち点0。(世界ランキングは2日現在) 【写真特集】福岡が決めた逆転トライ 日本vsアイルランド <「勇敢」「信じられない力」勝者称えるアイルランド ラグビー日本金星> <アイルランド、完敗認める日本への花道「エネルギーと強度が素晴らしかった」> <マッチスタッツが証明 奇跡などではない>日本vsアイルランド戦の写真付き詳報 出直しを誓うアイルランドの中でも、ロシア戦に懸けるSOセクストンの決意は並大抵ではなかった。「見ているだけの、つらい試合だった。ピッチに立って仲間を助けることができず、非常に不満がたまった」。9月28日の日本戦では先発をカーティに譲り、ベンチからも外れた。セクストンは静岡スタジアムの客席から、思わぬ敗戦を見つめた。 セクストンはスコットランドとの初戦で太ももを負傷。日本戦まで中5日と日程に余裕がなかったこともあり、シュミット監督は決勝トーナメント以降を見据え、大黒柱の負担を軽減しようと配慮した。しかし、2018年に欧州6カ国対抗の全勝優勝を支え、国際統括団体ワールドラグビーが選ぶ年間最優秀選手に選出された司令塔を欠いたチームは要所で規律が乱れ、日本の攻勢の前に後手に回ったまま終わった。 ロシア戦では、さらなる発奮材料も与えられた。欠場するフッカーのベスト主将に代わり、87試合目となる代表戦で初めてゲームキャプテンを任された。34歳のセクストンが「子供の頃から夢見て、いつかたどり着きたいと努力してきた。時間はかかったが、それだけの価値がある。信じられないくらい誇らしい」と言うほど思い入れのある大役だった。 今大会後の引退を表明しているベストは37歳、世界屈指のSHマレーも30歳。いま勝たずして、いつ世界の頂点に立つのか――。充実の選手層を誇る「優勝候補」アイルランドの再出発だ。【大谷津統一】