NFTは次なる目玉となりうるか?

NFTは次なる目玉となりうるか?

非代替性トークン(以下NFT)がデジタルデータの所有権として、公の会話に現れつつある。NFTの概念は新しいもので、どういうものかをまだ理解していない人も多くいるはずだ。例えばNFTは、一枚のアート作品や、有名なアスリートのビデオであり得る。ポスターを製造し、サインして若者の部屋に貼られる代わりに、アイテムに対してデジタルに「所有感」を与えてくれるといったシステムである。NFTはブロックチェーン上にあり、クリプト界隈でのブームとなってきている。

NFT(非代替性トークン)とは何か?

非代替」の意味は「唯一無二」ということである。例えば、レギュラー・ガソリンを買う場合、Aのガソリンスタンドで買ったガソリンとBのガソリンスタンドで買ったガソリンは同じはずである。ペーパータオルや缶ジュースは個体ごとが唯一無二のものでないので代替/交換可能である。別のペーパータオル/缶ジュースと取り替えたところで同じ価値を受け取ることができる。たいていの商品取引は代替可能資産を扱っている。非代替性トークン(NFT)のほとんどはイーサリアムのブロックチェーン上にあり、取引することができる。NFTは個別の価値を有する一方で、ブロックチェーン技術を使用して取引が可能である。イーサリアムが使用しているプルーフオブワークシステムが持つ利点は、NFTが唯一無二のものであると保証してくれることだ。同一のNFTが創造されたり、第三者によって承認されたりすることはない。現在、NFTはあらゆるデジタル情報として形成され得る。Facebookの投稿、Instagramの写真、お気に入りのバスケットボール選手が試合中に軽い身のこなしを見せているビデオといったものがNFTであり得る。

NFTの仕組みとは?

デジタル資産がまずスタート地点だ。資産が作られると、デジタル署名が施され、(ドルまたはイーサを使用して)購入されると同時に、ブロックチェーン上に保管される。デジタル資産の作り手は、所有者としての署名とデジタル証明書とを作ることでデジタル資産をトークン化することができる。そうしてできたNFTは、イーサなどの暗号取引を介してブロックチェーン上で交換することができる。

身近になりつつあるNFTネットワーク

デジタル収集品の作り手として代表格となったのが、NBA(ナショナル・バスケットボール・アソシエーション)である。NBAはNBA Top Shotと呼ばれるNFTコレクション・コミュニティを有している。ウェブサイトからNBAにおける名シーンのビデオを、まるでトレーディングカードを買うように購入できるというものだ。これはNFTがもたらすコレクション形態の可能性として、一般の人にとっての最良の例だろう。ケビン・デュラントが試合の勝利を決めるシュートを放つポスターを所有する代わりに、それを何度も再生してくれる、NFTとしてのビデオを所有できるというわけだ。2021年10月現在、Top Shotは1,000万以上の取引から7億5千万ドル近くを売り上げた。こうした強烈な数字も、Beepleが成し遂げたことに比べればなんでもないだろう。この種のデジタル資産としては初めて、オークションハウスChristie’s(クリスティーズ)において2021年3月、6,900万ドル以上の値をつけた。情報によると、Beeple(ビープル)として知られるこのMike Winkelmann(マイク・ウィンケルマン)の作品で、それ以前に売れたものがつけた最高額は100ドルであったということだ。

NFTを購入したときに有する権利

NFTを購入すると、そのデジタルアートを使用する「使用権」を所有することになる。コンテンツはコピーすることが可能であるが、コピーしたコンテンツを持っている場合、法の下でそのデジタルデータを所有しているということにはならない。営利団体の場合は、デジタルアートをマーケティングキャンペーンで使用することも可能だ。NFTが歌である場合、それを購入すると、コンサートや公園、自宅でその歌を再生する権利を所有することになる。

NFT導入の背景

知っての通り、世界は今やビデオやデジタル画像であふれている。誰もが携帯電話をもち、出先でいつでもデジタル情報を見ることができる。モバイル機器でNFTを購入することができ、どこへでもそれを持ち運ぶことが可能だ。デジタル資産を作り出すこともできる。将来的には、モバイル機器で作り出すことも可能だろう。世界はデジタル環境へと変化を遂げつつあり、こうしたプロセスを通して独自の資産を作り出すことがますます重要になってきている。デジタルドキュメントを用いれば、契約はイーサを介したデジタル取引となり得る。法律もデジタルに作られ、NFTとなり得るだろう。作り出され、ブロックチェーンを用いて唯一性を付されるデジタル商品の数に限界はなさそうだ。

要点

世界がデジタル時代へと移行する動きに合わせ、NFTが注目を集めている。NFTとは、イーサリアムブロックチェーン上で作り出される唯一無二のデジタルデータである。NFTはデジタルアート、ツイート、テキスト、ビデオとして売られてきた。NBAはNBA Top Shotという、NFTを交換する場を作り出した。モバイル機器の普及が出先でのデジタルデータの閲覧を可能にするとともに、デジタルデータの作りやすさをますます高めている。

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