ランパス:震災からの復興、世界に発信 熊本城も3年半ぶり公開 – 毎日新聞



大会組織委員会 熊本地域支部主任 佐原由美さん
震災関連死を含め273人が犠牲になった熊本地震は2016年4月の発生から3年以上経過しましたが、今も1万6000人を超える方が仮設住宅などで生活しています。ラグビー・ワールドカップ(W杯)の試合会場になっている熊本県民総合運動公園陸上競技場(えがお健康スタジアム)は震災直後、全国から寄せられた支援物資の集積拠点になっていました。そうした場所でW杯を開催することは、「熊本は一生懸命頑張っている」と世界に発信することにつながるはずです。
熊本のシンボルの熊本城も、地震で天守閣や石垣が損壊しました。復旧工事は現在も続いていますが、W杯に合わせ、10月5日から3年半ぶりに一般公開を再開します。原則として工事のない日曜・祝日に限られますが、14日までの10日間は土曜と平日の午後も公開します。天守閣の中に入ることはできませんが、復旧工事中の熊本城を見るまたとない機会です。試合観戦の前後に、ぜひ足をお運びください。
県内では公立小学校の大半が体育の授業にタグラグビーを取り入れています。昨年度は、熊本市は全92校の73%にあたる67校で実施し、多くの子どもたちが楕円(だえん)球に触れる機会になっています。今年10月には、県内で試合を行うフランス、トンガ、ウェールズ、ウルグアイの食材を使った給食を熊本市内の小、中、特別支援学校で提供する予定で、子どもたちにW杯をより身近に感じてもらいたいと考えています。
W杯の開催地で、東日本大震災の被災地の岩手県釜石市とは、ラグビーを通じたつながりも生まれました。同市に新設された釜石鵜住居復興スタジアムには、熊本県民総合運動公園陸上競技場などから寄贈された座席が「絆シート」として設置されているんです。そうした縁もあり、7月20日に熊本で開催されるトップリーグカップのコカ・コーラレッドスパークス―釜石シーウェイブスR・F・C戦は「復興絆マッチ」と銘打たれています。多くの人に観戦してもらい、W杯に向けた機運がさらに高まればと思っています。
今春の異動で組織委員会の担当になり、ラグビーに関する知識も増えました。中でも、ラグビーの試合では客席をホームとアウェーに区別せず、双方のファンが隣り合って座ることを知りました。ラグビーに根づく「ノーサイド」の精神をあらためて感じたところです。
熊本では今年11月30日~12月15日にハンドボールの女子世界選手権も開催されます。県は「国際スポーツイヤー」と位置づけており、スポーツを通じた地域活性化や国際交流、さらには被災地の復興・復旧にもつなげていきたいと考えています。
次回は7月12日に公開予定。
熊本県民総合運動公園陸上競技場で行われるW杯試合日程
<1次リーグ>
10月6日16時45分 フランス―トンガ
10月13日17時15分 ウェールズ―ウルグアイ
熊本県民総合運動公園陸上競技場
約3万人収容で、Jリーグ・ロアッソ熊本の本拠地。熊本国体の主会場として、開催前年の1998年に完成した。W杯に向けた改修で、約1万席が背もたれ付きになった。屋根の形状が鳥の羽に似ていることから「KKWING」がスタジアムの愛称。「K]は「九州」「熊本」のほか、県出身で日本で初めて五輪に出場したマラソン選手の金栗四三の頭文字にちなむ。
最寄りのJR豊肥線光の森駅から約4キロ離れており、試合当日は同駅や市中心部などからシャトルバスを運行する。
さはら・ゆみ
1973年5月生まれ、熊本市出身。済々黌高、熊本大卒。複数の民間企業勤務を経て、2012年に熊本市役所入庁。生涯学習課などで勤務し、今春から現職。本格的なスポーツ経験はないが、観戦は好き。W杯開幕100日前のイベントで、スクラムやラインアウトを初体験した。
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